仏事Q&A

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暗証とは、どういう意味ですか?

この暗証という言葉は、仏教の世界ではあまりいい意味ではありません。

むしろ「暗証とは愚か者め!」と叱咤されるときに使われます。暗証とは、力量のない禅者や、悟ってもいないのに悟ったと偽る禅者のことをいうのです。

禅の悟りは、言葉では伝わらないところにあります。ですから、説明できないことが多いのです。そこで禅問答を通して悟っているかどうか判断するのですが、慣れてくると悟ってもいないのに答え方がわかる場合があるのです。

たとえば、禅問答で答えに窮した場合、相手を叩いたりしても可とされるのです。しかも、それで悟ったと認められることもあったのです。このように、禅の悟りが言葉では説明できないことを利用し、悟ったふりをすることを「暗証禅」といったのです。

世の中を見渡すと、暗証の人が溢れてるともいえるでしょう。わかったふりをして、その実わかっていないという人が多いように思えます。

真実を知るまで「わかった」といわないほうがいいのではないでしょうか?

知らないことは、知ったかぶりしないで素直に聞きましょう。そのほうが自分のためになるでしょう。