石屋のないしょ話

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都をどり

桜がちらほら咲いてきました。 皆さんは、「都をどり」をご覧になったことがありますか? 今月は一日から三十日に祇園甲部歌舞伎練場で催される「都をどり」についてお話します。

「都をどりはヨーイヤサァー」の掛け声で、花うちわを手にした芸妓・舞妓が花道から舞台に登場すると、会場である歌舞練場は歓声と共に春の華やいだ雰囲気に包まれます。 「都をどり」は、明治五年に第一回京都博覧会の「附博覧」として企画されました。 前年京都で開いた日本初の博覧会がいまひとつ盛り上がりに欠けたため、翌年に万策を尽くして開催することを決定、博覧会の集客をうながすために、京舞井上流三代目井上八千代さんに相談したところ、八千代さんは伊勢古市の亀の子踊に着想を得て、「都をどり」を創作しました。 踊り子三十二名・地方十一名・囃し方十名が七組七日交代で三月十三日から五月いっぱいまで出演したといいます。 これが評判を呼び、以後戦争中の休演をはさんで春に開催され、平成二十年の公演で百三十六回を数えます。 

他の花街の踊りは「都をどり」と同じく明治五年にはじめられた先斗町の「鴨川をどり」、宮川町では、昭和二十五年から「京おどり」、上七軒では昭和二十七年から「北野をどり」、そして同年祇園東が「祇園をどり」が、それぞれの花街の特徴をみせながらあでやかに披露されます。

石屋のないしょ話でした・・・。