石屋のないしょ話

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修二会

「お水とり」が過ぎると、寒さもやわらぎ、春がやってくると感じます。今月は、お水とりが行なわれる奈良の東大寺二月堂で行なわれる「修二会しゅにえ」についてお話します。

毎年お正月に、罪や穢れを仏に懺悔し、五穀豊穣などを祈願する仏教法会を「修正会しゅしょうえ」といいます。 そして、旧暦二月に行なわれる、同じく悔過を中心とした法会が「修二会」です。 特に有名なのが奈良の東大寺二月堂で行なわれる修二会です。 そもそも修二会は、七五三(天平勝宝四)年に、二月堂の開祖である実忠上人が、菩薩聖衆の悔過行法したことにならって始めたとされています。 

二月堂の修二会は、三月一日から十四日にわたり、さまざまな行事が行なわれます。 なかでも、十四日間通して行なわれるのが「お松明」です。 三月十二日にひときわ大きな籠松明が修行僧によって回廊へと担ぎ運ばれ、災厄が祓われるという火の粉を浴びようと待ち構えている参拝者の上で、大きく振り回されます。 翌三月十三日の未明からは、主要行事である『お水とり』が始まります。 二月堂の下にある閼伽井あかいから、本尊である十一面観音に供える「お香水」と呼ばれる水が汲み上げられます。 この香水の水源は、若狭国(福井県)の音無川で、この水を飲むと病気が治癒すると伝えられています。 かつては春の始まりだった旧暦の二月一日から行なわれていたことから、お水とりは春迎えの行事となっています。

石屋のないしょ話でした・・・。