石屋のないしょ話

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「ガッテンだ!」の語源は京都?

「がってんだ!」は、漢字で書くと「合点だ」です。威勢がいいので、イキのいい江戸ことばだと思っておられた方も多いのではないでしょうか?

ところが、元をたどれば京都に語源があるのです。

「合点」は、もともと和歌・連歌・俳諧の用語です。なので、和歌・連歌の発達とともに、平安から鎌倉時代にすでに使われていたようです。

つまり、歌を判者が批評するとき、良いと思われる歌の右上に鉤点をつけました。鉤とは、先の曲がった金属製のもので、その形を記しました。今でいうところのチェックです。評する判者がもう1人いる場合は、右上に続いて左上に鉤点をつけるのが慣わしでした。その点が「合点」であり、点をつけることを「合点する」といったそうです。

そこから、名前が書き並べられた回覧文書などが回ってくると「承知しました」「同意します」と言う意味で鉤型の合点チェックをするようになったのです。また「確かに目を通しました」「了解です」という意味でも、合点チェックは行われました。

藤原定家の日記『名月記』の建久3年(1192)3月7日の項に「不可及合点(合点に及ぶべからず)」と記されています。

ではなぜ、江戸ことばだと思われるようになったのでしょうか?

この言葉は江戸時代に入ってからもよく使われており、「合点した」とか「合点が参りませぬ」などと、狂言をはじめとする江戸期の作品にしばしば登場するそうです。

ちなみに「早合点」という言葉は「合点」からの派生語で、現在では早とちりなど、よくない意味で使われていますが、本来は文字通り「すばやい合点」で、「すばやく承知する」という意味だったそうです。

 

ご参考までに・・・。