仏事Q&A

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旦那様とは、どういう意味ですか?

「お帰りなさいませ、旦那様」と三つ指をついて、主人を迎える奥様は、最近ではもう見られなくなったのではないでしょうか?

旦那様は「ウチの旦那」に格下げされてしまっているような気がします。

旦那とは、元はサンスクリット語の「ダーナ、ダーン」を音写した言葉で、本来は「檀那」と書きました。

意味は、「布施をする者」です。すなわち、仏教教団維持のため、寺院維持のため、僧侶たちの生活の面倒を見るために布施をした人のことを檀那と呼んだのです。その布施には見返りは求めません。布施をすること自体が修行だからです。

その檀那が、一般社会でも使われるようになりました。つまり、お金を稼いできて、奥さんや子供の面倒を見る主人のことを旦那と呼ぶようになったのです。

さて、世の中の旦那様。「旦那様お帰りなさいませ」と言ってほしいのでしたから、本来の意味の旦那様に戻ったほうがいいでしょう。何も見返りを求めない無償の布施者になるのです。家の中で威張っているような旦那様は、本当の旦那様ではないのです。

威張らず、文句を言わず、奥さんや子供達安楽に過ごせるように生活の面倒を見ることができて、初めて「旦那様」と呼ばれるのです。