仏事Q&A

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無念とは、どういう意味ですか?

無念とは、心残りなことを意味します。

昔は「残念無念合わせて九年」などと言ったりもしました。念が無いと書くのに、念を残していることを表す不思議な言葉です。

 

元の意味は読んで字の如くでした。念が無い、無念無想を表した言葉です。何も念は無い、何も思いは無い、という意味です。すなわち「空」です。それが本来の意味なのですが、なぜか人は思いもよらぬことがあったり、急に不幸にあったりすると、残念です、無念ですと言うのです。

 

念とは、その時の思いのことです。「今の心」と書いて「念」なのです。仏教は、その念を空にすることを説いています。ですから、念を残してはいけないのです。無念でなくてはいけないのです。

 

大変残念なことがあっても、あるいは失敗をして無念だと思っても、不幸なことがあっても、念を残さないことです。変えられないことならば、念を残さず、思いを残さず、潔く現実を受け入れることです。

 

いつまでも過ぎ去ったことにこだわらないよう、過去への念は無にしましょう。