仏事Q&A

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和光同塵(わこうどうじん)とは、どういう意味ですか?

「あなたは一人ではありません。私をごらんなさい。」

振り返ったガネーシャは、そこに自分と同じ姿(象頭人身)をした女性を見ました。彼はその女性に抱きつき、涙を流しました。

ガネーシャは、大自在天の息子です。大自在天は、シヴァ神のことで、仏教では魔神とされています。妻ともども諸悪の限りを尽くし、仏教修行者を誘惑する悪魔でした。

その息子のガネーシャは大自在天も手を焼くほどの悪魔でした。目に余る所業に大自在天は怒ります。そして、ついに彼の首をはね、最初に出会った生き物の首をつけよと命じます。それが象だったことから、象頭人身のガネーシャが誕生しました。

ある時、ガネーシャは湖のほとりに一人で佇んでいました。己の醜い姿を嘆き、死を決意したのです。彼は孤独でした。そこに、自分と同じ姿をした女性が現れたのです。

その女性は観音様が変身した姿でした。

ガネーシャは救われました。自分と同じ姿をした者がいることを知り、孤独を癒すことができたのです。それ以来、ガネーシャは心を入れ替え、歓喜天として祀られるようになったのです。

 

間違った道にいる人を正すとき、頭ごなしに𠮟りつけても相手は聞く耳を持ちません。理想ばかり述べても現実は異なるといわれるでしょう。叱るよりも、自らの光を和らげ、相手と同じ立場をとる、それが相手を救う早道です。偉そうな態度では誰もついては来ません。たまには、塵にまみれて相手の立場を知ることも大切でしょう。

孤高の聖者では人は救えないのです。

 

(注意:ガネーシャについては諸説あります)