仏事Q&A

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お経はどのようにしてできたのですか?

お経は、お釈迦様の教えを文字にしたものです。

お釈迦さまは悟りをひらかれてから八十一歳でお亡くなりになるまでの約五十年間、多くの人々に対して教えを説かれました。その人に応じて、または時に応じて教えを説かれたのですが、当時はお弟子たちがみんな口伝えで伝えていました。

お釈迦様のご入滅後そぐ、後世に誤り伝えられないようにと、お弟子たちが集まってお釈迦様の説かれたものを編集しました。これを結集といいます。

 

まず、常にそばに仕えていた阿難尊者が「このように私は聞きました(如是我聞)」と、自分の記憶していた言葉を唱え、それを全員が承認したものが今日のお経として伝えられました。そのためだいたい「如是我聞」で始まっています。このようにして何回もの結集が行われ、後になって文字に書き写されることになったのです。

教えを説かれた「経」と、お互いに守るべき規律「律」と、それらを解釈したり、注釈を加えたりした「論」の三つが伝えられ、これら三つに精通した人を「三蔵法師」とよんでいます。

 

お釈迦様のこの教えを、現地の言葉(パーリー語)で伝え、スリランカ、タイ、ビルマなど、南方に伝えられたものを「南伝大蔵経」といい、インド西北部から中央アジア、中国に伝えられたものを「大乗経典」とよんでいます。

 

『法華経』をはじめ、日本に伝えられている各宗の経典はだいたいこの大乗経典です。ですから、誤って読んだりしてはいけないので「読経」といういように、お経本を見て一字一字正しく読むことが大切です。

日蓮聖人はお経に対する態度として「法華経を他の人たちが読まれるのは口先ばかり、言葉の上ばかりで心から読まない。心で読んでも、法華経を信じ実践することがない。身にも心にも共に体得されることこそ尊い」と言っておられます。