仏事Q&A

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不雨花猶落(あめならずしてはななおおつ)とは、どういう意味ですか?

この言葉は、八十歳まで諸国を行脚していた趙州和尚のものとして伝えられています。

 

ある修行僧が問います。

「朝になると花は露をため、ある葉は秋の色に染まった。その自然の現実から、どんな真理を得るべきか」と。

和尚は答えます。

「雨など降らなくても花は落ちる。風がなくとも柳の種子は飛んでいく。それがどうしたというんだ」と。

 

花は咲いたときからいつかは地に落ちる宿命であるし、柳の種子はいずれどこかへ飛んでいくもの。

「自然の真理がそこにそのままあるだけで、理由などない。あるがままの風景を真理としてそのまま見てとらえよ。」それだけのことなのです。

 

理屈ばかりをこねまわし、目の前の風景さえありのままに見ようとしない。

あなたにも思い当たるところはありませんか?

現実をそのまま見ること。その大切さを和尚の言葉は教えてくれています。