仏事Q&A

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なぜお通夜のときはロウソクを一晩中つけておくのですか?

お通夜のときには、ご遺体の枕元や祭壇に一晩中ロウソクをつけておきます。近親者の誰かがそばにつき、ロウソクの火を絶やさないようにするのがしきたりとなっています。現代では、そうすることで死者に対する思いを表すと解釈されています。

 

お通夜は、死者の魂を邪悪なものから守るため、近親者が一定期間死者と生活を共にしたことが起源となっています。実際、昔は数日間も故人に添い寝して死者の魂を守ったという記録も残されています。

 

しかし、現代人の感覚からいえば、数日間もご遺体と時間を共にするのは難しいことです。せめてお通夜ぐらいは故人のそばでずっと起きていたいと思っても、翌日の葬儀にさしつかえるのも困ります。

かといって、暗い部屋に故人を一人で放っておくのは遺族としてしのびない。

そこで、お通夜の参列者が帰ったあとは、家族や近親者が代わる代わる故人のそばにいて、ロウソクの火を絶やさないようにするという習慣が生まれました。徹夜は大変でも、何人かで交代すればそう無理をすることなく、ロウソクの火を灯し続けることができます。

 

昔はロウソクの火が消えると魔物がご遺体にとりつくなどと信じられていましたが、現代では故人が寂しい思いをしないように、せめてロウソクの火を絶やさないようにしているという解釈をすればいいでしょう。