仏事Q&A

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内証(ないしょ)とは、どういう意味ですか?

内証の話ほど内証にならないものはありません。

「内証だけど」と断りを入れて話しても、いつの間にか広まってしまいます。

しかし、本来の内証は広まることはないのです。

 

内証は「内緒・内所」とも書きますが、元になっているのは仏教後の「自内証」です。 意味は「自分の心の中の覚りそのもの」です。

それは、言葉では表現できないものでしょう。 だからこそ、内証であり秘密であるのです。 内証(内なる覚り」は外へ出せないものなのです。

 

言葉で表現しがたいものは、覚りだけではありません。 人の気持ちも表現が難しいものです。 人の心の内そのものを伝えるということは、簡単なことではありません。

「あなたの気持ちはわかるよ」とは言いますが、本当に気持ちが伝わっているかどうかはわかりません。 多くの場合、そのあとに「でもね」がついてきます。 相手の気持ちを知ること、自分の気持ちを伝えることは大変な作業なのです。

だからこそ、言葉を尽くして根気よく、時間をかけてよく話をしないといけません。 内なる思いは言葉で簡単には伝わらないからこそ、言葉を惜しんではいけないのです。

それでも、誰もわかってくれないことがもしあったら・・・。

誰もいないお寺の本堂でご本尊様に打ち明けましょう。 内証の話でも他の人に広まることはありません。