- 仏事Q&A
他不是吾(たはこれわれにあらず)とは、どういう意味ですか?
教えてほしい、助けてほしい、手を貸してほしい。 私たちは生きているとあれこれ迷ったり、誰かに助けを求めたくなります。 でも、誰かに肩代わりしてもらったことは、自分の成果につながるのでしょうか? 誰かが決めてくれた選択は、本当に自分の気持ちに沿ったものなのでしょうか? 道元禅師は留学中、典座の作業をする老師を見かけて「ご自分でなさらず、誰かに手伝わせてはいかがですか?」と声をかけました。 すると老師は「他は是れ吾にあらず」と答えました。
老師の身体を気遣ってかけた言葉ではありましたが、その作業は老師にとって大切な修行の一つだったのです。 修行は他人にさせては意味がありません。
豊かに生きるために、人生には様々な試練が待っているものです。 だからこそ、あなた自身が考えて生きる道を決めていかなければなりません。 助言はあくまで助言です。 最後にどうするか決めるのはあなた自身なのです。