仏事Q&A

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「十善戒じゅうぜんかい 」とは、どういう意味ですか?

キリスト教の十戒はご存知の方も多いと思いますが、仏教の十戒はご存知でしょうか? 仏教にも十戒はあるのです。 もっとも仏教の場合は「十善戒」と言いますが。 元は、十種類の善い行いということで、観無量寿経かんむりょうじゅきょうや大智度論だいちどろんなどに説かれていました。 それを人が守るべき戒として説いたのは、江戸時代の滋雲じうん尊者です。 滋雲尊者は、十善戒を人の人たる道として解いたのです。 

十善戒とは、①殺生しない ②盗まない ③性において淫らな行為をしない ④嘘を付かない ⑤意味のない流行言葉を使わない ⑥悪口を言わない ⑦二枚舌を使わない ⑧貪らない ⑨愚痴らない・怨みや妬み羨み怒りの心を持たない ⑩愚かな考えをおこさない、のことです。 皆さんは、これら全てを守ることができるでしょうか? 

この十善戒、確かに人として守るべきルールだと思いますし、多くの方がほぼ守れているのではないかと思います。 しかし、完全には無理でしょう。 細かいことを言い出したら、きりがありません。 特に、愚痴をこぼしたり、妬みや羨みの気持ちを持ってしまうことはありますし、ちょっとした嘘や流行語なども使います。 十善戒を完全に守るというのは無理な話です。 でも、それでもいいのです。 なるべく守ろうと思う気持ちが大切なのですから。 もし十善戒を完全に守ることができ、さらに慈悲の心が備われば、仏陀になれます。 お寺の御本尊様の横に鎮座できます。 それくらい、十善戒を守ることは難しいのです。

ご参考までに・・・。