仏事Q&A

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「我利我利亡者がりがりもうじゃ」とは、どういう意味ですか?

我利我利亡者という言葉は、最近ではあまり聞かれなくなりました。 痩せている人のことを「ガリガリ」と表現しますが、その語源となっているのが「我利我利亡者」なのです。 

我利我利亡者とは「我が利益、我が利益と追い求めるばかりで、正しい心を失った者」という意味です。 「亡者」とは「死者」のことですが、この場合は生きている人に対して言うので「人間としての心を失った者」という意味になります。 簡単に言えば「自分の金儲けのためなら何でもする」という人のことです。 そういう人のことを、仏教では「餓鬼」とも呼びます。

餓鬼界とは、六道輪廻のうち地獄に次いで悪い世界です。 生きているとき、自分の利益に執着し、なりふり構わず自己利益に執念を燃やした者が餓鬼になるのです。 その姿は醜く、喉はやせ細り満足に食を得ることもできず、手足は骨に皮のみという状態です。 まさにガリガリにやせ細った姿なのです。 それは、我欲により執念と妄念にとりつかれたなれの果てなのです。 何かに一生懸命取り組むことは大切です。 お金儲けも大事でしょう。 ダイエットや美貌を保つこと、健康を維持することも大切です。 しかし、どんな場合でも限度がありますし、バランスが悪くなってはいけません。 物事に執念を燃やしすぎれば我利我利亡者となり、餓鬼へと変貌してしまうのです。 何事も執着しすぎないようほどほどに、を心掛けましょう。

ご参考までに・・・。