仏事Q&A

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なぜ、仏事を延ばしてはいけないのですか?

昔から結婚式などのお祝い事は延期してもかまわないが、年忌法要などの仏事は延ばしてはいけないといわれています。 なぜなのでしょうか? 実は、仏事の中でも延ばしてはいけないのは七七日、つまり四十九日の法要なのです。 人が亡くなってから四十九日の間は中陰ちゅういん(中有ちゅうう)といわれ、この期間、死者の霊は成仏しないでさまようといわれています。 ですから七日ごとにお経を読んで供養し、霊が無事成仏することを願うのです。 そして、四十九日を「満中陰まんちゅういん」といい、この日に死者はめでたく無事成仏することになります。 しかし、この期間に七日ごとの供養を怠ったり、供養の仕方を誤ったりすると、死者の霊は悪霊となってさまよい続けると考えられています。

したがって、火葬したお骨は、四十九日の法要がすんだ後に納骨します。 それ以前に納骨すると、霊が迷い墓所に安住することができない可能性があるからです。 そして四十九日の法要を終え、納骨も済ませたあとに香典返しをするのが一般的です。 その場合、香典返しの品に同封された挨拶状に「無事、満中陰を済ませました」などという文章が必ず書かれています。 

ただし、近年では都市部を中心に葬儀に引き続いて四十九日の法要をまとめて済ませてしまうことが多く、四十九日の満中陰を待たずに納骨をされることが増えています。 このように、四十九日の満中陰の法要は非常に重要な意味を持っています。 そしてこの法要を延ばしてはいけないというのには次のような理由があります。 たとえば、四月の十三日までに亡くなった場合、四十九日目は五月の末日以前で、その期間は二ヶ月以内に収まります。 しかし、同月の十四日以降に亡くなった場合には、六月一日以降が四十九日になって中陰の期間が三ヶ月にまたがってしまいます。 これを「始終苦が身につく」といって禁忌するのです。 つまり、始終苦(四十九)が身につく(三月にわたる)、苦しみが年がら年中つきまとうという意味です。 ですから、たとえば四月十四日に亡くなった人の四十九日法要は、これを繰り上げて五月の末日までに行わなければならないのです。 

これはもともと語呂合わせの俗信ですが、いつの頃からか民間に広く浸透するようになったのです。 そして、後には四十九日ばかりでなく、仏事全般を延ばしてはいけないということが常識となったのです。 ちなみに、亡き人の霊は三十三年経つと完全に成仏し、仏となって生きている者を守ってくれるといわれています。 ですから、三十三回忌が最後の法要となります。

ご参考までに・・・。