- 仏事Q&A
「刹那」とは、どういう意味ですか?
「刹那」とはサンスクリット語の「クシャナ」の音写で、最も短い時間の単位のことです。 「大毘婆沙論だいびばしゃろん」の説をもとに現在の時間に換算すると、一刹那は七十五分の一秒に相当するそうです。 また、別の説には、一刹那は指を弾いた時の音の六十五分の一とあります。 いずれにせよ、極めて短い時間(一瞬)のことです。
仏教では、この一刹那の間に人の生滅があるとか、一刹那の間に悟りを得るのだと説きます。 「一瞬の間に人生を見よ」という教えです。 それは即ち、「一瞬たりとも修行を怠るな」という意味でもあります。 「一瞬一瞬を精一杯大切に生きよ」、「刹那を充実して生きよ」ということです。
それがいつの間にか、今が楽しければいい、という刹那的生き方を表わすようになってしまいました。 過去も未来もあるものか、今この瞬間が楽しければいい、という刹那主義的生き方は、長続きさせることはできません。 必ず行き詰ります。 楽ばかりしては生きられないのです。 なぜなら、人には過去も未来もあるからです。 この瞬間を快楽に過ごせば、次に来るのは苦なのです。 人生は苦楽の繰り返しなのです。 だからこそ、唯今の時間を悔いのないように生かしていくことが大切なのです。 この「今」という瞬間の積み重ねが、明るい未来へと繋がっていくのです。 「刹那を生きる」とは、この一瞬、唯の今のこの時間、この短い時間を大切に生きるということなのです。
ご参考までに・・・。