仏事Q&A

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「阿吽の呼吸」とは、どういう意味ですか?

「阿吽」は、「阿」と「吽」からできています。 これは「悉曇しったん(インドの古い言葉)」の五十音の初めと終わりの文字です。 悉曇は日本語の五十音の元になったという説もあり、「ア」から始まって「フーン」で終わっています。 このことから、阿吽とは「初めから終わりまで」を意味するようになりました。 そしてそれは、人生の初めから終わりでもあるのです。 

一般的に、人は産まれる時「あー」と泣いて産まれてきます。 そして亡くなる時には「ふーん」と息を吐いて亡くなります。 つまり、「あ」から「うん」までには、その人の一生があるわけです。 密教では、「阿」はすべての源であると説きます。 「阿」からすべては産まれ出るのです。 それは発菩提心でもあります。 そして、「吽」は最終的に至る境地、すなわち悟りを表わしています。 

この世に産まれ出て、悟りを求める心を起こし、そして涅槃に至る・・・それが「阿吽」の意味でもあります。 大きな寺院の山門には金剛力士像がありますが、その像は口を開けた「阿形」と、口を閉じた「吽形」となっています。 また、狛犬も阿形と吽形とがあります。 これらは、いずれも生から死まで、初めから終わりまで、初菩提心から悟りまでを表わしているのです。

ご参考までに・・・。