仏事Q&A

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「機根不同きこんふどう」の意味を教えて下さい。

人の素質は、それぞれ異なります。 一を知って十を覚る者もいれば、十を知って一しか理解できない者もいます。 弘法大師の「般若心経秘鍵」という書の中に「機根不同きこんふどうにして性欲しょうよく即ち異なり」という句があります。

「機根」とは理解力のことをいいます。 「機」はきっかけ、「根」は素質のことです。 「性欲」とは、現代で使われている意味ではなく、人それぞれの性質による欲望のことです。 「機根不同にして性欲即ち異なり」とは、「一つのきっかけでどの程度理解できるかは人によって異なり、人によって求めるものも異なる」という意味なのです。

人は個性豊かです。 そして、理解力もそれぞれ異なります。 「打てば響くような」といいますが、誰もがそうあるわけではありません。 打てば響くのか、打っても響かないのか、時間が経ってから響くのかは、ひとによって異なります。 また、求めるものも趣味も欲しいものも異なります。 それが人間です。 ですから、その人それぞれに違いがあることを認めることが大切なのです。 理解力がないから、打っても響かないから、空気が読めないからといって、その人の個性を否定したり、排除してはいけません。 この広い世の中、いろいろな人がいて当然なのです。

ご参考までに・・・。