仏事Q&A

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「三界に家なし」とは、どんな意味ですか?

「三界に家なし」という言葉の三界とは、「欲界・色界・無色界」の三つの世界のことです。 欲界とは「欲のある者が住む世界」のことで、地獄から神々が住む天界の一部の世界です。 色界とは「肉体と精神は存在するが、欲の無くなった世界」で、梵天が住む世界から大自在天の住む世界までのことです。 

無色界とは「欲も肉体も消滅した世界」です。 つまり、精神世界です。 その中で最も清浄なる精神が行き着く世界が有頂天です。 したがって、三界とは、地獄から有頂天までの世界のことなのです。 「三界に家なし」とは、地獄から有頂天まで安楽に住むことができる世界はないという意味なのです。 

なぜなら、これらの世界は輪廻する世界だからです。 お釈迦様は次のように説いています。 「この世は、苦の世界である」 地獄から有頂天に至る神々まで、すべての命が苦しみを抱えて生きているのです。 人間だけが苦を抱えているのではありません。 三界に家がない・・・安楽に過ごせる場所がないのは、人間ばかりではないのです。 神様でも安楽に過ごせる場所がないのです。 そう思うと、我々人間も少し気楽ではないでしょうか? 地獄の住人も神々も苦しみを抱えた者同士なのですから。

ご参考までに・・・。