仏事Q&A

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護摩にはどんな御利益があるのですか?

護摩はサンスクリット語でホーマといい、「焼く」という意味があります。 もともとイランなどで行なわれていた拝火教(ゾロアスター教)の儀礼ですが、早くからインドに伝えられて盛んに行なわれるようになったといいます。 これが中国に伝えられ、平安時代に弘法大師空海が日本に伝えて大成しました。

信者が奉納した護摩木という神聖な薪を、護摩壇の炉の中で勢いよく燃やし、その中に護摩百味と呼ばれる、五穀をはじめとする様々なものを投じます。 護摩を焚くときに本尊となるのは不動明王です。 護摩の火は不動明王の深遠な智慧を表わし、護摩木は煩悩を表わすといいます。 つまり、不動明王が背負っている火炎が、そのまま護摩の炎となって燃え上がるのです。 

つまり、不動明王の智慧の火で煩悩(護摩木)を焼き尽くすことが、護摩を焚く目的なのです。 煩悩がなくなって清浄になった我々の願いは、不動明王が悉く叶えてくれるといわれています。 護摩の御利益は息災・増益・調伏といわれるものです。 息災は災いを除くこと、増益は幸福をもたらすこと、調伏は悪を退散させることです。 ですから、護摩を焚くことによって、すべての御利益にあずかることができるのです。

真言宗や天台宗の寺院では、毎月二十八日の不動明王の縁日に護摩が焚かれます。 また、とくに参詣者の多い寺院では毎月二・三回護摩供養が行なわれます。 さらに、新年の護摩供養はとくに御利益があるといわれ、多くの参詣者が訪れます。

ご参考までに・・・。