- 仏事Q&A
死者の着物が左前のはなぜですか?
湯灌がすんだ遺体は、納棺の前に死装束をまとわせるのが一般的です。 その時、男性ならヒゲを剃る、女性なら薄化粧を施すといった身じまいを整えます。 仏教では死は十万億土への旅立ちとされ、死装束は冥途への旅支度になります。
聖なる色である白の着物に手甲脚絆てっこうきゃはんをつけ、頭陀袋ずたぶくろ
をかけます。 この頭陀袋の中に六文銭を入れるのは、それが三途の川を渡る船の渡し賃だからだと言われています。
また、額に三角形の白い布をつけますが、これは天冠てんかんと呼ばれています。 冥途への旅では閻魔大王に会うことになるので、無冠では失礼だという考えからの冠なのです。 大事なのは着物の着せ方で、必ず左前にします。 これは一目で死者だとはっきりわかってもらえるようにとの装いで、お釈迦様が入滅するとき着物を左前にしていたからだとされます。 それだけに、この世での着付けは左前は厳禁なのです。
ご参考までに・・・。