- 仏事Q&A
鬼のような怖い顔をした仏像があるのはなぜですか?
ふつう仏様は仏様みたいな顔というと、穏やかな温かみのある、それでいてどこか威厳のあるいいお顔を思い浮かべますが、仏様の中には、ご質問のように怖ろしいお顔の方もいらっしゃいます。 お不動様や愛染明王・馬頭観音様などがその代表ですが、これらの仏様達は厳密にいうと仏様ではなく、不動明王・愛染明王と○○明王とか○○神将などと呼ばれている方で、仏教や仏教者を守護する神様です。
穏やかに話すばかりではなく、相手や、時と場合によっては声も大きく荒げ、拳を振り上げたり、怖ろしい顔で睨みつけたりしなければならない時があります。 明王とか○○神とか呼ばれている方達は、御主人である如来の使者となって、普通の方法では導けない者に対して、強い態度でもって仏様の教えに導いたり、または外敵を防ぐガードマンの役目をしておられるので怖いお顔をなさっているのです。
しかし、これら明王や神将達は、一見怖ろしいお顔をなさっていますが、よく見るとそのお顔は“いつまでもそんなことをしていないで、早くすばらしい仏様の教えに従うのだ。 もっとしっかりしろ!”と、心の底で涙を拭って叫んでおられるので、怖ろしさの中にも温かみが感じられます。 願いをきいて下さるのも仏様ならば、願いを聞いてくださらないのも仏様の慈悲です。 微笑み、温かく包んで下さるのも仏様ならば、睨みつけ、叱り飛ばすのも仏様の真のお姿ということなのです。
ご参考までに・・・。