仏事Q&A

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「入院する」とは、どういう意味ですか?

入院するのは、誰しも快いものではないでしょう。自ら好んで入院したいという方はあまりいないのではないでしょうか?

しかし、出家者はみな入院します。もちろん病院に入院するのではありません。

「院」とは、周囲を垣根で囲った家屋のことでした。それが唐代末ころに出家者が修行する場所を示すようになったのです。やがて、総合的な修行場所を寺と称し、その寺院に院を設けたのです。

日本では、高貴な身分の出家者を「◯◯淫様」と呼ぶようになりました。それは、ある寺に所属する院の主という意味です。

出家者は、俗世間と縁を切って仏門に入ります。このことを「出家して入院する」ともいいます。出家者は、仏門に入ると同時に出世もしますし、入院もするのです。

働き始めて順調に進めば、やがて出世していきます。あるいは「いつかは・・・」と出世を望みます。そんな折、突然の病気や怪我などで入院することもあり得ます。調子のいい時の入院は、ショックが大きいものです。

しかし、入院してしまったことを悔やんでも病気や怪我はよくなりません。病気になってしまい、入院してしまったのなら、潔く入院していればいいのです。何も焦る必要はなく、病の時は病をしていればいいのです。

いっそ、出家者のように「出世して入院したのだ」と思い、修行するつもりで過ごすのもいいのではないでしょうか?

自己を見つめる良い機会かもしれません。