石屋のないしょ話

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川床

今年は寒い日が続いて例年よりも桜を楽しむことができました。 桜が散ったと思ったら、鴨川では京都の夏の風物詩「川床」が見え始めました。 今月は「川床」についてお話します。 

納涼床の起源は、江戸時代に遠来の客を迎えた裕福な商人たちが、少しでも蒸し暑さをやわらげて接したいと考えて、京都の中心を流れる鴨川の中州や浅瀬に床机をおいて川を渡る風にあたりながらもてなしたことに由来します。 寛文年間(一六六一~七三)に鴨川両側に石積みの護岸が築かれ、茶店や屋台がその上で商売をはじめ、また近くの花街祗園や先斗町の繁栄にしたがって川床も発展したといわれています。 現在は鴨川西岸の二条から五条にかけて、京都鴨川納涼床同組合に加盟する飲食店の約九十軒が櫓を組んで座敷をのせた床を、鴨川西岸の河川敷を流れる「禊川」に張り出しています。 この禊川は、昭和十年(一九三五)の鴨川の洪水後に作られた全長二キロほどの水路です。 鴨川の川床は五月一日から九月三十日までで、五月中は「皐月の床」、六月から八月中を「本床」、九月中を「後涼み」と呼びます。 現在では、暑さをしのぐというより京都らしさを味わうという意味で、地元の人はもとより観光客に人気があります。

石屋のないしょ話でした・・・。