石屋のないしょ話

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二九

年が明けたと思ったら、早いものでもう二月です。 今月は二月九日に山科区小山行なわれる「二九にのこう」についてお話します。

鎌倉時代の正和二年(一三一三)二月九日、牛尾観音(法厳寺)を参拝していた村人を襲った大蛇が、地元の武士によって退治されました。 その後、祟りを畏れた村人が大蛇の霊を弔うためにワラで編んだ大蛇を山科川(音羽川)の近くに祀ったのが「二九」のはじまりだといわれています。 

音羽川の麓、山科川のほとりに位置する小山中島町では、以降七百年にわたって、地元の人によって毎年二月九日に約三百束のワラで長さ約十メートル、胴回り約三十センチの大蛇が新しく作られ、竹にわたして松の木にさし渡されます。 目には橙をもちい、青竹で作った口に酒を注ぎこんで五穀豊穣・家内安全を祈ります。

石屋のないしょ話でした・・・。