石屋のないしょ話

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お箸の作法

皆さんは外食した際、食べ終わったお箸をどうしていますか? 今月は使い終わったお箸の作法についてお話します。

食べ終わった後のお箸は、お箸紙がある場合必ずお箸紙におさめなくてはいけません。 これは他人を不愉快にさせないための小さな気配りなのです。 どうせ捨てるものなのだからそこまでしなくても、と思われるかもしれませんが、汚れたお箸を他人に見せるというのは決して美しいことではありません。 正式な作法では、お箸をお箸紙におさめてから、使用したことを表すためにお箸紙の端を少しだけ折り曲げておくのです。 昔は使い終わったお箸は必ず折らなければいけないといった作法もありましたが、これはお箸はその人だけのもので、他の人が同じものを使ってはいけないという約束ごとがあったためです。 

しかし折るという行為そのものに美しさを見出せなかったことや、折らないことにより、決して使いまわすようなことをされないという相手への信頼を表す意味が生まれ、この作法はだんだん無くなってきたのです。 お箸をお箸紙におさめるのはもちろんのこと、器も元通りにきちんと並べておくぐらいの気配りは心得ておくとよいでしょう。 ちなみに使った爪楊枝もお箸紙の中に入れておくのが作法です。

例え「ごちそうさまでした」と手を合わせなくても、食せた感謝の心だけは持っていたいものです。

石屋のないしょ話でした・・・。