石屋のないしょ話

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大福茶

明けましておめでとうございます。 今年もgood-stoneを宜しくお願い致します。 2005年一回目の《石屋のないしょ話》は、お正月に飲まれる大福茶についてお話します。 

お正月にお屠蘇をお飲みになる方も多いと思います。 しかし京都では例えお屠蘇を準備されても飲まない方が結構いらっしゃいます。 それはお屠蘇というものが、もともと薬であったために、元日から薬を飲むのは嫌だという発想からきているのです。 「年の初め」「月の初め」「日の初め」である元日に薬を飲むと、一年中薬を飲まなくてはいけないというところに由来しているのです。  

「大福茶」とは、煎茶の中に小さな昆布と小梅が入った縁起の良いお茶のことです。 昆布は喜ぶに通じ「子生婦」とも書き、子孫繁栄を願うもので、梅は春に先がけ一番に花を咲かせ実を結ぶものとして尊ばれ、お茶そのものは葉の緑が色を変えぬところから、意思の強さを大地にしっかり足をつけて生き続ける験の良いものとして、この三つを合わせてお祝いするのです。

もともとこれは皇族や公家の飲み物で、今では「大福茶」と書きますが、歴史的には公家の場合は「皇服茶」、一般的には「王服茶」と書かれたそうです。 

石屋のないしょ話でした・・・。