仏事Q&A

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「香典」と「香奠」の違いは何ですか?

通夜または葬儀に参列した際に持参する「香典」。別に「香奠」とも書きますが、古くは香典と香奠とはその意味も異なっていました。

香奠は香を供えること、ないしは香を薫じて供えることです。これは「六種供養」から出た言葉で、『真俗仏事編』によると「仏を供養するには六種(華・塗香・水・焼香・飲食・燈明)あり、香を怠らず薫じれば精進を表す」とあります。

一方、香典は香を買う金銭や品物を差し出す意味です。今日では香奠・香典とも後者の意味を指し、従来の華や米、燈明などにかわって現金を渡すのが一般的となりました。それとともに「香典返し」の風習も行われるようになりました。

香典袋の表書きをどう書いたらよいか迷った場合は「御霊前」とすれば間違いありません。

仏式だけでなく、キリスト教・神式など宗旨に関係なく使えます。ただし、市販の不祝儀袋を用いる場合には、たとえ「御霊前」とあっても、蓮の花がついているものは仏式、十字架のついているものはキリスト教に限られます。

そのほか仏式なら「御香料」「香華料」「御香典」「御香奠」とします。

なお、この場合「御仏前」とするのは本来は間違いです。御仏前は成仏した仏に供えるという意味で、「忌明け」の四十九日以後の法要に供える金包みに使うのです。とはいっても、近年は以前ほど厳密ではなくなり「御仏前」も使われるようになっています。

ちなみに、神式は「御玉串料」「御榊料」、キリスト教は「御花料」「御ミサ料」とされています。