石屋のないしょ話

  • 石屋のないしょ話

花崗岩(御影石)の生成について

花崗岩は地球の内部から上昇してきたマグマ(溶岩のようなもの)が比較的地下の深いところでゆっくりと冷え固まって出来ると言われています。岩石は地球の深いところにあるほど比重が大きく固体の状態で存在しますが、何かの原因で温度が異常に上昇したり周囲の圧力が低下したりすると岩石の一部が溶けて液体(マグマ)になることがあります。

同じ物質が液体になると固体の時よりも比重が小さくなるので、溶けた岩石は軽くなって上昇することになります。しかしもともと浅いところにある岩石よりも比重の大きな岩石ですから、ある程度上昇するとまわりのとけていない岩石と比重が釣り合ってしまい、それ以上浅いところへ上昇できなくなります。上昇できなくなったマグマはまわりの岩石を溶かし込みながら横方向に広がっていきます。

この時、より軽い鉱物を溶かし込んだマグマは再び周囲の岩石よりも軽くなり、更に浅い場所へと上昇していきます。このようなことを繰り返し、色々な種類の鉱物を取り込みながらマグマは次第に地表へと近づいていきます。こうして取り込まれた鉱物の含有比率の違いによって様々な色合いの岩石が形成されていくのです。

・上の写真を見て解るように、御影石は2~3種類の異なる粒状の結晶が複雑な模様を描いています。その模様の違いはマグマが冷えて固まる際の条件によって生じるものです。マグマが地表に噴き出したり或いは地表のすぐ近くまで上昇してきた場合には急激に冷却されるために鉱物の結晶が作られず、御影石の特徴である「等粒完晶質」の岩石は形成されません。またあまり長い時間をかけて固まった場合は一つ一つの結晶が大きくなりすぎてしまいます。適度な時間をかけて冷却され、適度な大きさの結晶の粒が形成された場合に「御影石」が生成されるのです。