- 仏事Q&A
「目横鼻直」とは、どういう意味ですか?
曹洞宗の教えを広めた道元禅師は、留学先の宗から日本に帰国した際、出迎えた人々に「鼻は縦について目は横に並んでいるという当たり前のことを悟り、経典を持たずに還ってきました。」と説きました。
出迎えた人々からすれば、なんて当たり前のことを言って、手ぶらなのだと思ったことでしょう。
道元禅師が言った「目横鼻直」は、当たり前のことを当たり前として受け止め、あるがままに感じることを説いています。
これが仏法の真理であると会得したから、経典を持ち帰る必要がなかったのです。
私たちは、無理な背伸びをしたり見栄を張ったりすることが少なくありません。
でも、当たり前のことを当たり前に行い、まっすぐな気持ちで生きていけばいいのです。
特別なことはなにもありません。
自分の足でしっかりと立ち、日常の何気ない衣食住にも心を配って生きる。
三食を有難くいただき、住まいを掃き清め、清潔な衣類に袖を通す。
ただ、それだけでよいのです。