仏事Q&A

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不覚とは、どういう意味ですか?

不覚にも涙を流してしまった経験はありますか? 年齢を重ねるほどに涙腺が弱くなり、思わぬ場面で涙ぐんでしまうことがあります。 しかし不覚であっても恥入る必要はありません。 人間は、そもそも不覚なのです。

 

しかし、その表現は正確ではありません。 人間はそもそも覚であるのに、不覚になってしまっているのです。

 

一切衆生は、本来覚りを得られる種をもっています。 これを「本覚」といいます。 本当は覚りを得られるはずなのに、様々な迷いや妄念、欲望が邪魔をして、本来持っているはずの覚りに気づかないのです。 これこそが「不覚」なのです。

 

 

不覚にも人前で涙を流してしまうのは、本当は不覚ではないのかもしれません。 本来持っている覚の部分に触れる何かがあったからこその涙なのかもしれないのです。

 

他人の前で格好をつけず、不覚の自分を見せてもいいのではないでしょうか? 油断している、隙のある自分をさらけ出すのも、周囲への優しさであったりもします。 まったく不覚のない、油断も隙もない態度は受け入れ難いものがあります。

 

不覚でもいいのです。 そこから、その奥に潜む覚に気づくものなのです。