仏事Q&A

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「月落不離天つきおちててんをはなれず」とは、どういう意味ですか?

夜の空を見上げると、青白く輝く月があります。 やがて夜明けとともに西の空に沈んで見えなくなりますが、月はなくなったわけではありません。 夜になれば再び煌々と輝くのです。 ちょろちょろと流れる川の水も、やがては大海へとたどり着きます。 始まりや流れの速さは違っても、行く先は一つの海であり、一つに交わるものです。

「月落ちて天を離れず」とは、仏法は特別な場所にあるのではなく、常に私たちのそばにあるという禅語です。 人生の途中でさまざまな姿や形に変えていっても、最後には真理に帰っていくことを説いています。

人は、自分の決めた目標や進路に向かって歩き続けます。 けれども人生において悩んだり、迷ったりしたとき、ちょっとした道草を繰り返し、やがて元の行くべき道に戻っていきます。 人の心も笑ったり、泣いたり、怒ったり、まるで川の流れのように絶えず変化していきます。 人それぞれ歩く道は違っても、最後に行く先は同じなのです。

ご参考までに・・・。