仏事Q&A

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如行雲流水にょこううんりゅうすいってどういう意味ですか?

仏教思想の中で、最も知られているのは「空くう」ではないでしょうか? 「空」を説いたお経としては、般若心経が代表的です。 しかし、空思想は知られている割には理解されていないものです。 「空」の思想は難しく、多くの僧侶が自問自答しながら説いてきました。

「如何が空かー空とは何か」
 
答えの一つに「如行雲流水」があります。 「空」とは、空を行く雲の如し、流れる水の如し、という意味です。 禅の修行者を雲水といいますが、その語源がこの「如行雲流水」です。 

雲は流れに任せて形を変えていきます。 何かに引っかかることもなく、何かにこだわることもなく、ただただ流れていきます。 同じく、川を流れる水も、ただただ高きより低きに流れるだけです。 雲も水も自分で止まろうとはしません。 
雲が一ヶ所に留まり続ければ、日が射さなくなり植物も育ちません。 水も一ヶ所に留まってしまえば、澱んで濁ってしまいます。 「空」とは、雲や水のように、何のこだわりもなく、執着もなく、留まることなく流れるように自然に生きていくことです。
人が「空」で生きていけば、悩みなどは生まれてこないでしょう。 地位や名誉、立場、物や金銭に執着を持ったり、他人の言動を気にしたり、見栄を張ったりするから悩みは生まれてくるのです。 
手に入るときが得られるとき、手に入らないのは縁がないから、と何のこだわりもなく、行く雲の如く、流れる水の如く生きていけば、苦しみも悩みもなく生きられるものなのです。

ご参考までに・・・。