仏事Q&A

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「老婆親切ろうばしんせつ」って何ですか?

曹洞宗の開祖・道元は、優秀な弟子に対してよく「老婆心が足りぬ」と叱ったと伝えられています。 この「老婆心」は「老婆親切」という禅語と同じ意味です。 直訳すれば「お婆さんは、孫をかわいがる」となるのですが、これはお婆さんを非難する言葉ではありません。

禅語には、一見非難しているように見えて、実はそれを勧めるという言葉が少なくありません。 「老婆親切」もその一つで「祖母が孫をかわいがる心には、仏が人間を愛する気持ちと通じるものがある。 誰に対しても、祖母が孫をかわいがるような愛情を持って接しなさい」ということなのです。

禅の修行者は、ともすると人より多くの知識を得ることや、理屈で人を打ち負かすことに熱中してしまう傾向があるといいます。 とくに、優秀な修行者ほどその傾向にあるようです。 しかし、禅の本来の目的は、知識や理屈にこだわることではなく「老婆心」つまり「無条件に人を愛する心を養うこと」にあると道元は諭したのです。 わたしたちも、例えば学歴や勤め先・仕事の結果などによって、幸せの度合いが決まってしまうと思いがちです。 ですから「頭のいい人」になれば、すべてがうまくいくと考えてしまうところがありますが、それだけでは幸せになれません。 愛情の豊かさや、人を思う心が、あなたを本当の幸せに導きます。 「頭のいい人」よりも「愛情豊かな人」を目指しましょう!

 

ご参考までに・・・。