仏事Q&A

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戒名に「信士」「居士」などありますが、どう違うのですか?

戒名の下に「居士こじ・大姉たいし」あるいは「信士しんじ・信女しんにょ」とあるのは、「位号」といって、位階をあらわす尊称です。 「信士・信女」は、仏の教えを信じ、定められた戒を守っている在家の信者という意味で、経典にでてくる優婆塞うばそく・優婆夷うばいの訳です。 出家せず、普通の生活を行なっている在家の者ではあるが、五戒(不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒)あるいは、十善戒(①生き物を殺さない。 ②盗まない ③姦淫しない ④嘘を言わない ⑤二枚舌を使わない ⑥悪罵しない ⑦駄言を弄しない ⑧貪らない ⑨怒らない ⑩邪見にふけらない)を守って、精神的にも生活面からしても清潔な生活をし、信心の深い人を「清信士・清信女」あるいは「信士・信女」とよんでいます。 ですから、どんな人でもいいというものではありません。  

「居士・大姉」は、「信士・信女」よりさらに信心が深く、仏教を身に実践し、人徳を備えて誰からも尊敬されている人に対して送られます。 はじめは居士は一般的に富豪をさす名称として用いられ、仏教特有の言葉ではありませんでしたが、しだいに仏教の内部の称号として使われるようになりました。

居士に対する女性の場合の称号として使われるのが、大姉です。 もともとこれは、比丘尼びくにをさす言葉でしたが、現在では居士と同格の意味で使われています。 このうえさらに一段上位をあらわす尊称として、「大居士・清大姉」があります。 近頃、この「居士・大姉」をつけたがる人が多くなっていますが、これは自ら望んでつけるものではありません。 まず、誰から見てもその称号に相応しいような生き方をすることが大切です。 立派な戒名をつけさえすれば、供養の誠が尽くされといった考え方は、改められるべきでしょう。

ご参考までに・・・。