石屋のないしょ話

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松尾祭

京都市内の中心を東西に貫く四条通りの東端に八坂神社があり、西の端には松尾大社が建っています。 今月は26日に松尾大社で行われる「松尾祭」についてお話します。 

松尾大社の創建は、大宝元年(七○一)に秦忌寸都理が松尾山大杉谷の磐座の神霊を勧請して、麓に社殿を建立したことに始まるといい、祭神の大山咋神は上賀茂神社祭神の加茂別雷命の父親にあたります。 渡来系の秦氏は機織や陶工の技術を日本にもたらした氏族として知られていますが、酒の造り方も教えたところから、とくに中世以降、松尾大社は「酒の神」として全国の酒醸造関係者の信仰が篤いです。

境内裏手の「亀の井」の水を醸造時に入れるとお酒が腐らないとの言い伝えもあって、神輿庫横には、全国の酒醸家から奉納された酒樽が積み上げられています。 社殿や神輿に葵を飾ることから「西の葵祭」とも呼ばれる「松尾祭」は、豊作や氏子の安全を祈願して平安時代に始まりました。 神幸祭の一番の見せ場は「船渡御」です。 摂社末社の朱色も鮮やかな六基の神輿と唐櫃が松尾大社を午前十一時頃出発し、物集女街道を五キロほど練り歩いて二時間後に桂離宮近くの桂川右岸に到着、そこから一基ずつ和船に乗せて川を渡るのです。 神輿の重さは一トン以上だそうです。 「ほいっと ほいっと」という担ぎ手の勇壮な掛け声が響きます。 

石屋のないしょ話でした・・・。