石屋のないしょ話

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牛祭

今月は、京都市右京区の広隆寺境内にある大避神社に伝わるお祭りについて、お話しします。

広隆寺は秦河勝が聖徳太子から授かった仏像を本尊に、622年に建立されました。

京都でも最後の古寺で、平安遷都のときに現在地の太秦に移り、真言宗別格本山です。祖師堂には弘法大師ほかをお祀りしています。牛祭は、この祖師堂を中心に、かつては陰暦9月12日、今日では10月12日です。

白装束に異形の面をつけた4人の赤鬼・青鬼(四天王)が矛を持って現れ、次いでやはり白装束に異形の面をつけた摩多羅神が御幣を捧げ、牛に乗って現れます。

この五神は、広隆寺周辺を一巡して祖師堂にもどり、円陣を組んで国家安寧・五穀豊穣・悪病退散を祈る祭文をユーモラスに読み上げます。このとき、参集者から悪口・野次が飛び、五神もやり返します。祭文を読み終わると、かつては参拝の群衆が厄除け・盗難除けに効験があるといわれた摩多羅神と四天王の面を奪い合いました。

今宮神社のやすらい祭、由岐神社の鞍馬の火祭とともに京都三大奇祭とされ、京都市登録無形民俗文化財に指定されていますが、現在は長期にわたり開催中止となっています。

 

ご参考までに・・・。