石屋のないしょ話

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大根だき

日に日に、寒さが厳しくなってきました。 皆さん風邪などひいてませんか? 今月は、七日に千本釈迦堂で行なわれる「大根だき」についてお話します。

境内では、直径1メートルもの大鍋に油揚げとともに炊かれた大根が、美味しそうな匂いを漂わせています。 京都人はこれを「大根とお揚げさんのたいたん」といい、家庭のおばんざいとしても定番です。 十二月の寒風にさらされる境内でふるまわれるこの大根には、無病息災・中風除けのご利益があります。 大根だきは、七百五十年ほど前の鎌倉時代前期に千本釈迦堂(大報恩寺)の住持慈禅がお釈迦様が悟りをひらいたとされる十二月八日の成道会の法要で、丸大根に「ハク」というお釈迦様の名前を表わす梵字を一字書いて、その大根を参拝者にふるまったのが始まりといわれ、江戸時代中期に行事として定着したのだそうです。 

炊かれる丸大根は聖護院一帯で作られていたため聖護院大根と呼ばれるものが使われていましたが、最近は淀で作られている同種の淀大根がふるまわれているそうです。 梵字が書かれた大根は、祈祷の後に輪切りにされて大鍋で炊かれます。 授与が始まる午前九時には多くの参拝者が門前に並んで順番を待っています。 翌八日も行なわれ、二日間で大根約五千本、一万五千食が授与されます。 ちなみに、授与は有料です。

石屋のないしょ話でした・・・。