石屋のないしょ話

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八十八夜

『夏も近づく八十八夜~♪』という歌は、皆さんもお聞きになったことがあると思います。 今月は「八十八夜」についてお話します。

「八十八夜」は雑節の一つで、ちょうど「立春」から八十八日目の日のことです。 夏の始まりを意味する「立夏」まであとわずかですが、この頃は昼夜の温度差が激しいこともあって、「晩霜ばんそう」と呼ばれる霜がおりることがあります。 「忘れ霜」や「八十八夜の別れ霜」という表現はここからきています。 この霜は農作物に大きな被害を与えるため、農家に注意するようにという意味でもうけられた雑節が「八十八夜」です。  

また、「夏も近づく八十八夜~」と歌われるように、この時期にはその年最初の茶摘みが始まります。 とくに八十八夜の日に摘んだ茶の葉は、栄養価が高く、極上の味わいとされています。 この日以降、霜がおりることはまれになるため、農家では稲の種まきを始める時期とされました。 また、「米」という字が「八」と「十」と「八」に分けられることからも、農家では非常に大切にされる日です。 この日は、「種まき粥」と呼ばれる粥を田の神に供えたり、野山で釜飯を炊いて同じように田の神に供えたり、豊作を占う水口といった風習が残っています。 これらも五穀豊穣を願っての行事とされています。

石屋のないしょ話でした・・・。