仏事Q&A

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因縁生滅理(いんねんしょうめつり)とは、どういう意味ですか?

因縁というと「因縁をつける」というように、あまり良い意味では使われません。しかし、因縁は仏教の基本的理念です。

一切の存在は、すべてその存在原因があります。原因に様々な作用が影響して、存在が生まれてくるというのが因縁です。原因が「因」で、作用が影響することを「縁」といいます。あらゆる存在や現象、結果はすべて因縁によるものです。

 

この世の存在と出会ったり関係しあったり、様々な現象や出来事と出会うのは、この世に自分自身が存在するからです。「我」というものが存在しなければ、この世の一切の存在や現象と関わることはありません。ですから、一切の存在が存在する理由は「我」が存在することによります。

 

 

「我」が滅してしまえば、一切の存在も滅します。これが「因縁生滅理」です。「我」が生じるから一切が存在し、「我」が滅すれば一切が滅するのです。これを理解すれば悟りに至ります。

ならば、自分を滅してしまえば色々な悩みや苦しみから解放されるのか?というと、そうではありません。ここでいう「我」を滅するとは、生きていて行うものであり、自分が死ぬということではないのです。

 

「我」を滅するとは、自分と他人の差別を無にし、誰にでも平等に接することができ、どんなことが起きても怒らず、嘆かず、怨まず、妬まず、清々しい気持ちでいられることです。

それが「我」を滅することなのです。