仏事Q&A

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紅炉上一点の雪(こうろじょういってんのゆき)とは、どういう意味ですか?

寒い季節に茶席を暖めるため、次から次へと炭をおこしていたのでしょう。

煙の匂いを逃がすため開けていた窓から、真っ白な雪がはらはらと舞い込んできました。 真っ赤に炭が燃えている炉に落ちた一片の雪は、炭の熱で瞬時に消えてしまいます。

 

雪は邪念と考えてみてください。 その邪念を一瞬で消し去る、炭のような情熱を、あなたは持っていますか? 私たちは、意識的にせよ無意識的にせよ、一日の中で様々なことを考えて心を右往左往させています。 朝、誰かにひどいことを言われれば、その時はもちろん嫌な気分になりますし、終日不不愉快な気分のまま過ごしてしまうかもしれません。

 

ですが、最初のきっかけは外からやってきた出来事でも、それはほんの一瞬です。 でも、その後いつまでも繰り返し考え続けているのは自分です。 嫌な気分を自ら作り出しているのです。

 

そんなときは心から邪な考えを無にして、炎の上で雪がすっと溶けるよう欲や迷いもほどけるようにしたいものです。