- 仏事Q&A
仏教でいう「宴」は「宴会」と同じ意味ですか?
「うたげ」とは読まず「「えん」と読みます。 もちろん、俗に言う宴会の意味ではありません。 しかし、楽しいことではあります。
「宴」は「宴座」の略です。 「宴座」は、「阿含経」や「維摩経」などの経典に登場します。 「宴」の意味は「安らか。座禅をすること」です。 「宴座」となると「心身ともに安らかに座禅すること」となります。 すなわち、座禅を楽しむことです。
一般的に修行は、苦しく厳しいものと思われています。 確かに、修行には規律や規制があり、睡眠時間も短く、肉体的にも精神的にも厳しいものです。 そうでなくては修行にはなりません。 しかし、苦しいだけではないようです。 ある修行僧は、修行のはじめに伝授をしてくださる大阿闍梨様から「修行が苦しいと思ったら、その時点で修行をやめよ。修行は楽しいものじゃ」と言われたそうです。 その修行僧は、修行が始まったばかりの頃は、この意味がわからなかったそうです。 しかし、修行が進むにつれ、意外にも楽しさがわかってきたのです。 まさに「宴座」です。 一見、苦しいと思われることでも、実行してみると意外にそうでもないことは、皆さんも経験したことがあるでしょう。 また、苦しいことでも少し見方を変えれば楽しくなるものです。 苦しみを「宴」に変えることもできるのです。
ご参考までに・・・。