仏事Q&A

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七堂伽藍とは何ですか?

大きなお寺に行くと、広大な境内に色々な建物が建っていて、「七堂伽藍しちどうがらん」が整っているという言葉をよく耳にします。 伽藍というのは、サンスクリット語(インドの古い言葉)の「サンガーラーマ」を漢字に当てて表記したもので、正しくは僧伽藍といい、これを略して伽藍といっています。 もともとインドでは、僧侶たちが集まって修行する清浄な場所を意味しました。 中国に仏教が伝えられてからは、これが寺院の建物を総称する言葉となりました。 七堂伽藍というのは、完全に堂塔(建物)を備えた寺院のことです。 「七」は実際の数ではなく、必要な建物の数を十分に満たしたという意味です。 

一般的には金堂・塔・講堂・食堂・鐘楼・経蔵・僧坊・回廊・門など、必要な建物を全て備え、大勢の僧侶が住んでいる大きな寺院を七堂伽藍といったようです。 つまり、七堂伽藍とは、大本山クラスの大寺院の代名詞として使われる言葉なのです。 

金堂は本尊の仏像をまつってある、寺院の中心になる建物で、東大寺の大仏殿などがこれに当たります。 塔は仏舎利(釈迦の遺骨)を納める建物で、ふつうは三重塔や五重塔で、飛鳥寺など最初期の寺院では伽藍の中心に据えられました。 講堂は僧侶たちがお経を読んだりして勉学に励む建物です。 食堂は文字通り食事をする建物です。 鐘楼は時を知らせる梵鐘を吊るす建物です。 また、同じく時を知らせる太鼓を納める鼓楼を鐘楼と対にして配置することもあります。 経蔵は経典を納めておく書庫です。 僧坊は僧侶たちが寝起きをする生活の場です。 そして、金堂や塔などの主要な建物を回廊で囲み、その四方に門を設けます。 ふつう、僧坊は回廊の外側に置かれます。 

 

また、宗派によって伽藍の種類や呼び名が異なります。 禅宗寺院では座禅をする座禅堂(僧堂)、東司とうすと呼ばれる便所、浴室などの建物も重要視されました。 禅宗寺院の七堂伽藍には、これらの建物が欠かせません。 さらに、浄土宗の総本山知恩院や浄土真宗の大本山本願寺などでは、開祖の教えを重要視するため、御影堂(祖師堂)と呼ばれる開祖をまつる堂を一番大きく造っています。 本堂よりも大きな御影堂を伽藍の中心に据えます。 また、日蓮宗でも、開祖の日蓮上人をまつる御影堂が中心的な存在になります。 ちなみに、中小の寺院では、中央に本堂があり、境内に鐘楼などがあるぐらいです。 このように、規模が小さく建物の数も少ない寺院の場合、七堂伽藍とはいいません。

ご参考までに・・・。