仏事Q&A

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「お経を読む時に木魚を打つのは何故ですか?

ポクポクという木魚の音はゴーンという鐘の音と共に、すぐにお寺を連想させる代表的な音の一つです。 日蓮宗では比較的に少ないのですが、お経を読む時に打つように木魚はお経を読む早さを調整するための仏具です。(ちなみに日蓮宗で多く用いられている木鉦も、木魚と同じくお経の調子を整えるためのものです。

しかし昔は木魚のことを木魚鼓・魚鼓・魚版ともいっていたように、はじめはこれを打った音で人々を集めたり、合図に使っていたりしました。 宇治の万福寺に行くと、2メートル以上もあるような魚の形をしたものが廊下にぶら下がっています。 魚の腹の部分が空洞で、打つと低い音ですが遠くまでよく響きます。 これは、食事や行事の合図に打っていたものです。

木魚が魚の形をかたどってあるのは、魚は昼でも夜でも眼を閉じずにいることから、常に魚のように惰眠をむさぼらずに努めよという警告の意味です。 また一説には、ある修行僧がいて、お師匠様の教えに背いたために魚に生まれてしまいました。 その背中に樹が生えて、波風で揺れるたびに血を出して苦しんでいました。 お師匠様は彼の為に供養をして魚身から救ってやりました。 そしてその魚の樹で魚の形をつくり、寺の中にかけて人々を戒めたということです。 これが中国の明の頃になって、今の形になったのです。 今の木魚は猫が丸まって寝ているように魚の頭と尾を接した丸い形につくられていますが、魚の代わりに二つの龍の頭になっているものもあり、その両頭の真ん中に玉を抱くようにしているものもあります。 竜頭になっているのは、魚が凡から聖なるものへと変身していくということでつくられているのです。 木魚の腹のところがギザギザしているのは、魚のウロコをあらわしています。 

ご参考までに・・・。