仏事Q&A

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お数珠にはどんな意味があるのですか?

一般的にお数珠は、仏様を礼拝する時やお経・お題目をお唱えする時に手にかけて使われていますが、本来はお経やお題目の数を数えるために用いる法具です。 このお数珠の起源についてある文献によると、「霊鷲山におられたお釈迦様のもとに波瑠璃国の使者が来て、『我が国は小さくて、しきりに他の国から攻められ、そのうえ疫病が流行して国民が困窮しており、国王が腐心しております。 なんとか逃れる方法はないものでしょうか』と教えを乞うたのに対して、つねに仏法僧の三宝の名を唱えては一過し、これを十遍・二十遍・百ないし百千万遍したならば、現世には煩悩障(人間の迷いや欲望によっておこる災い)や報障(行った過ちによっておこる苦しみ)を消滅し、未来には天上の楽をうけ、さらに念誦して怠らなかったならば、百八の煩悩がなくなって、無上の果徳を得るとお示しになった。 そこで国王は数珠を作って六親眷属にわけて共に念誦したところ、その功徳が広大であった」と記されています。

お数珠の玉の数は、百八顆が基本で、日蓮宗でのお数珠はこの数ですが、その他に五十四顆・四十二顆・二十七顆・二十一顆・十四顆というのもあります。 百八の数は私たちの迷いや欲望の数を数えて百八煩悩と表されていますが、百八の煩悩を滅して修行し、百八の悟り(尊)を得るという立場から百八尊を表すとも説かれています。 

ことに日蓮宗では古来よりこのお数珠の珠一つ一つを仏様や菩薩にあてて「数珠曼荼羅」を説いていますから、ただ単にお題目や誦経の数を数える法具としてだけではなく、仏・菩薩・諸天善神そのものとして、お数珠は大切に扱わなければなりません。 ちなみに五十四顆は、十信・十住・十行・十廻向・四善根・十地という菩薩の発心から成仏までの修行の位を表しており、四十二顆は、十住・十行・十廻向・十地・等覚・妙覚の四十二位、二十七顆は、声聞の行位の二十七賢聖、二十一顆は、本有と修生の各十地と仏果、十四顆は十住・十行・十廻向の三と十地と妙覚をそれぞれ象徴しています。

ご参考までに・・・。