仏事Q&A

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お通夜の時にお線香を絶やしてはいけないのは何故ですか?

一般的にはお通夜の時ばかりでなく、四十九日忌までの間は、別に設けた白布の祭壇に白木のお位牌を安置して、なるべくお線香とお灯明を絶やさないようにといわれています。 お線香を絶やさないようにというのは、亡くなられた方のそばにいていつも見守っていてあげようという気持ちの表れですが、もう一つ大事な意味があります。 

人の生死の経過を「四有しう」という状態で説明します。 人がこの世に生を受けた(諾胎たくたい)瞬間を「生有しょうう」、生を受けてから死ぬまでの間の現身を「本有ほんぬ」、死の瞬間を「死有しう」、死んでから次の生を受けるまでの間を「中有ちゅうう」といい、人はこの「四有」を繰り返しているのです。

このうち死んでから次の生を受けるまでの間を「中有」または「中陰ちゅういん」「中蘊ちゅううん」ともいい、四十九日までの期間はこの「中有」の状態で七日ごとに転々とするので、七日目ごとの「中陰気」に亡くなった人のご冥福をお祈りすることが行われているのですが、この「中有」は血肉をもっていないので、「意(識)」から生じた「ガンダルヴァ」という「霊魂身」ともいうような身体をもったものといわれています。 このガンダルヴァは「食香」とも訳されているように香を食しているので、中有の間はお線香を絶やさないようにといわれるようになりました。

しかし香ならばどんなものでもよいというのではなく、よい香りは上品の貴い食べ物となり、悪い香りは賤しい下品の食べ物ということですので、食としてお供えするのなら美味しい食べ物となるよい香りのするお線香をたいてあげて下さい。 亡くなられた方もきっと喜ばれることでしょう。

ご参考までに・・・。